不動産仲介手数料はなぜ支払う必要があるのか
2023/01/24
借りる

不動産の取引では「仲介手数料」が発生します。しかし、常識のように思われている手数料ですが「仲介手数料が無料」などの物件もあり、必ずしも必要な費用という訳ではありません。
この記事では、主に賃貸物件の契約時に必要な「仲介手数料」の仕組みや、部屋探しの時に注意したいポイントについてご紹介します。
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なぜ仲介手数料を支払うのか 仕組みを解説
不動産の仲介手数料は「宅地建物取引業法」で定めている不動産会社に対する報酬で、売買や賃貸借の取引が成立した時に契約当事者が支払うものです。
報酬を支払う目的は「取引が公正に行われた」結果に対するもので、取引が不成立になった場合は支払う必要がありません。
仲介手数料とは持ち主と買主(借主)を取り持つ成功報酬
不動産会社は取引の対象物件を買いたい人や借りたい人に紹介し、取引条件を調整し円満に契約締結に至るよう条件の交渉や契約書類の整備を行います。
このような行動を「媒介」と法律上は定義していますが、報酬の支払いは取引の成立が条件となっており、不動産会社は不動産の持ち主と買主(借主)にそれぞれ報酬の請求ができます。
取引が成立しなかった場合は不動産会社が時間や労力をたくさん使ったとしても、報酬の請求はできない「成功報酬」になっているのです。
仲介手数料は上限が法律で定められている
売買取引および賃貸借取引の仲介手数料は、上限金額が宅地建物取引業法で定められており、不動産会社は上限金額の範囲内で取引ごとに仲介手数料を独自に決めています。
そのため「仲介手数料半額」や、時には「仲介手数料無料」などのキャンペーンを実施することもありますが、仲介手数料の支払いは不動産取引では当然のことと理解しておく必要があるでしょう。
不動産仲介ビジネスは「不動産仲介手数料」が主要収益源になっています。
不動産の仲介手数料上限・算出の仕組み
賃貸借取引に係る仲介手数料は「宅地建物取引業法」に基づき、国土交通大臣が発出する告示により上限金額が決まっています。
基本的な算出方法は同じですが、最新の告示は消費税が10%に変更された時点の告示です。
ここでは賃貸借取引に係る仲介手数料の上限や、算出方法について紹介します。
法律で定められた上限額は家賃1カ月分・その仕組み
賃貸借取引の仲介手数料上限は「家賃の1カ月+消費税」と宅建業法では決まっています。
ただし、上限金額は貸主・借主双方からの合計額であり、居住用建物の場合は貸主・借主それぞれから「家賃の0.5カ月+消費税」となりますが、依頼者の承諾が得られると貸主・借主どちらかからの「家賃の1カ月+消費税」とすることができます。
賃貸物件の募集情報で仲介手数料を「家賃の1カ月+消費税」と明記しているのは、借主から承諾が得られることを前提としたものです。
なお、この場合は借主からの仲介手数料が上限金額になるので、貸主からは仲介手数料を受けとることはできません。
現行の仲介手数料上限については国土交通省告示(令和元年八月三十日国土交通省告示第四百九十三号)に記載されています。
不動産賃貸の仲介手数料を早見表でチェックしてみましょう
賃貸借取引の仲介手数料は具体的にどのような金額になるのでしょう。家賃2万円~15万円の仲介手数料を一覧にまとめました。
なお、消費税は10%で計算してあります。
仲介手数料、実際の原則は半月分
賃貸借仲介における仲介手数料は前述したように、借主から受け取る手数料は「家賃の0.5カ月+消費税」が原則です。
しかし、実際には「家賃の1カ月+消費税」が常識のようになっています。
これは1カ月分の支払いが「暗黙の承諾」であることを前提にしたものですが、最近は「0.5カ月」をうたう仲介会社も少なくありません。
1カ月を0.5カ月とすると値引きやサービスをしているかのように感じますが、実際は法律に則った正しい請求と言えるのです。
仲介手数料が無料になるケースもある
仲介手数料には上限がありますが下限はありません。
そのため仲介業務を依頼しても無料になるケースがあります。
「仲介料無料」の賃貸物件がその典型です。
借主が仲介を依頼した際、仲介料を請求されることのない物件とはどのような物件なのか、仲介料が無料になると後からなにか問題はないのかなど、仲介手数料無料の仕組みと注意点についてお伝えします。
無料になる場合とは
仲介手数料を無料にするキャンペーンなどは、空室対策として管理会社が実施するケースがあります。
管理会社が仲介事業も行っている場合には特によくあることです。
大家さんからも借主からも手数料をもらうことなく、空室を早く埋めようとする場合に用いる戦略です。
管理会社がサブリースで借主を募集する物件も同様です。
サブリースの場合は管理会社が「賃貸人」の立場になるので、そもそも「媒介・仲介」といった業務に該当せず仲介手数料の請求はありません。
他には、大家さんから仲介手数料を受領するため借主に対して無料とするケースもあります。また大家さんから仲介手数料に加えて「広告料」を受け取る場合もあります。
安い仲介手数料の罠
無料になるケースの中には実際には無料でない場合もあり注意が必要です。
仲介会社は借主からの手数料をゼロにし、大家さんから1カ月分の手数料を受け取ることは法律上問題ありません。
前述したように、手数料以外に「広告料」という名目で大家さんから報酬を受け取るケースもあります。
この行為は宅建業法に抵触することなので問題があるのですが、慣習として行われているケースが多くみられます。
大家さんと仲介会社との金銭上のやりとりは、借主の負担ではないので問題はないように思えるのですが、注意したいのは契約時費用として「礼金」が契約条件となっている場合です。
礼金は本来、大家さんへの「お礼」ですが、大家さんから仲介会社に支払う「広告料」の原資として礼金が使われているケースがあります。
つまり、借主は仲介会社への「広告料」を負担していることになり、実質的には手数料を負担していることとなんら変わりはないのです。
まとめ:仲介手数料を理解して納得のいく契約を結ぼう
仲介手数料が1カ月から無料まで、仲介会社や管理会社により大きく異なる実態を見てきました。
単に「仲介料無料」といったキャッチコピーには注意して、しっかりと契約時費用を確認することが大切です。
仲介手数料は賃貸物件の相談をし、希望に沿った物件を探しだし紹介を受けるための費用です。
できるだけ好条件で納得のいく物件を探すための、営業担当者への費用が「仲介手数料」と捉えると、必ずしも安い方がよい訳ではないということに納得がいくかと思います。
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